あまり奇をてらわない、それでいて気の利いた面白みのある家との希望で進めた家です。家の中はたくさんの陶器のオブジェであふれ住まいの趣味の良さがにじみ出て住空間との違和感もなくギャラリーのようなステキな家になっています。
■ 光と風を感じる家
あまり奇をてらわない、それでいて気の利いたおもしろみのある家が理想でした。とくに等身大で居心地の良い部屋でコセコセせずにいられ、将来にわたって住み続けられる家でありたいと思っていました。また車椅子が使用できるバリアフリーにもしたいと思っていました。
建て方、従来の建物との関係など、非常に限られた条件下で満足のいく形ができました。光の入り具合によって、そのつど新しい部屋の顔を見ることがでさて楽しいです。家が完或して間もないので、まだ夏の間の住み心地しかわかりませんが、天井が高いせいか、窓が広いからか、風の流れがよくて快適です。冬の暖房がどの程度効くのかわかりませんが、冬も暖かくて身体がよく動かせるのではと期待しています。
家には高齢者が同居していて、新しい住宅環境に慣れるかどうか心配していましたが、気に入ってくれたようで安心しました。今では、夕食後一緒に過ごす時間が多くなりました。工事予算も設計監理料も予算内に収まり、納得のいくものでしたが、欲が出て建物以外のその他のものに出費が多くなってしまい、今後もかさみそうです。
家を建てるにあたって、ハウスメーカーの住宅は画一的で、底の残さが感じられて気に入りませんでした。工務店に依頼する方法もいいと思いましたが、施工、監理が一緒なのは当方の注文や苦情が十分伝わらない恐れが多いと思います。設計者に設計監理を依頼して、設計者との信頼関が築かれ、こちらの意図が十分伝わることがいい点だと思いました。
(建築主 水野さん談)
■ 設計者の言葉
一軒一軒つくりながら、いつも「住宅(住まい)とは、何だろう?」と考えさせられています。「何にとっての」という問いかけなのですが、現代はいろいろなことを考えなければいけないことを非常に痛感しています。
今回も、ご家族の人柄と、住まい方、暮らしぶりを拝見し、素朴であたりまえをキーワードに設計を進めました。その中で、イギリスの農家や、プロヴアンスの家々のことを話しながら、光と影と風を、建築としてのかたちの中では、シンプルでスマートに、また、単純で変化のあることを目標にまとめあげました。
空間の雰囲気はいろいろあるにしても、完成してからもこれが一つの答えだと実感した家となっているように思います。
※「欠陥住宅問題80事例集-欠陥住宅紛争解決と予防-」
名古屋CDフォーラム発行
欠陥住宅をつくらない住宅設計者の会 編集に掲載もされてます。
詳細について
- 施工
- M様
- 構造
- 木造 2F
- 敷地面積
- 570
- 延床面積
- 285.7㎡